「すんき、すぐき…どっちも同じじゃないの?」
「違いって言われても、ハッキリわからないなあ^^;」
こんにちは。発酵食に興味津々なOgaです。
「長野県のすんき漬け」と「京都府のすぐき漬け」。私は、てっきり同じものだと思っていました。
味も名前もよく似ているし方言とかなまりだと思っていたので、違いがあると知ってびっくりです。
ということで、すんきとすぐきは「違いが何で共通点があるのか」知りたくなったので、作り方や食べ方のアレンジまで調べてみました。
昔の人が、厳しい冬を野菜を使って健康に乗り越えるために考え出した工夫。これを、一緒に見ていきましょう!
「すんき」と「すぐき」の違いとは?
「すんき」と「すぐき」…。まずは産地の違い、これは先ほど言いましたのでお分かりですよね。- すんき:長野県
- すぐき:京都府
さっそく、それぞれの特徴について詳しく紹介しますね。
すんきとは
では、まずは長野県が生産地の「すんき」についてみていきましょう。「すんき」の材料は、長野県で生産される「すんき菜」が使われます。
この「すんき菜」は一つの野菜の名前ではなくて、何種類もあり総称で「すんき菜」と呼ばれているのです。「すんき菜」は、主に木曽地方で多く作られている赤かぶで、次の種類が多く使われています。
- 大滝村(おうたきむら)の「大滝かぶ」
- 開田村(かいだむら)の「開田かぶ」
- 三岳村(みたけむら)の「三岳黒瀬(みたけくろせ)かぶ」
- 木祖村(きそむら)の「細島(ほそじま)かぶ」
- 上松(あげまつ)の「芦島(あしじま)かぶ」
- 上松の「吉野かぶ」
つまり、すんき漬けはこれらのカブの葉を使って漬けられています。
長野県には海がなく、特に木曽地方では昔から「米は貸しても塩は貸すな」と言われていたことがあるほど、塩は貴重なものでした。
ではどうやって、塩を使わずにお漬物ができるのでしょう?それは、山に囲まれた長野県ならではのものでした。
- 山の木の実
- ズミ(小梨)
- 山葡萄
- 山梨
すんき漬けの乳酸菌をお手軽に摂りいれるならコレですね^^
そうそう!「酢茎」といえば、「京都のすぐき」も同じ漢字を使います。では次に、京都の「すぐき」についてみてみましょう!
すぐきとは
「すぐき」は、京都府上賀茂地区でだけで栽培されている、かぶら(カブ)の一種です。つまり、門外不出の京野菜というわけ…。
漢字にすると「酢茎菜」と書くすぐき菜は、
- 水茎菜(すいくきな)
- 賀茂菜(かもな)
- すぐき蕪(かぶら)
すぐきは、「すぐき菜の葉とかぶら」を「塩」だけで漬け込みます。つまり、乳酸発酵させ独特の酸味があるのが特徴^^
ちなみに、植物乳酸菌で有名な「ラブレ菌」は、この「すぐき漬け」から発見されたんですよね!
それでは、「塩を使うか使わないか」という違いを、実際の作り方で確認してみましょう!
すんき漬けとすぐき漬けの作り方の違いとは?
「塩を使うか使わないか」…。つまり、すんきやすぐきを発酵させるために使う物が違うわけですよね。ということは、漬け方も違ってきます!まずは「すんき漬け」の作り方から見ていきましょう!
すんき漬けの作り方
- 赤かぶ菜の葉と株を切り離す(カブは甘酢漬けなどにする)
- 切り離した葉を2センチくらいに刻む
- 50℃~60℃のお湯にくぐらせて、軽く湯通しをする(温める程度)
- 刻んで湯通ししたすんき菜とタネ(山の木の実で作った乳酸菌や、去年作ったすんき漬けなど)を交互に重ねて漬け込む
- 40℃くらいになっている室(むろ)で保存する
- 2~3日程で、べっ甲色になったら食べごろ
- 食べごろになったら、冷暗所に移して保存する
ちなみに、漬け込み方は各家庭によって違います。
- 樽に直接漬け込む
- 樽にビニール袋を敷いて漬け込む
- 発泡スチロールにビニール袋を敷いて漬け込む
また、発泡スチロールに入れるのは保温に適しているからですね。
ちなみに、室(むろ)とは…。
「温度を一定に保つために、外気に左右されないように作られた食物を貯蔵したりする部屋」のことですよ~^^
では次に、「すぐき漬け」の作り方にいってみましょう!
すぐき漬けの作り方
- 表面をきれいに洗って皮をむいて「いため樽」にたっぷりの塩で一昼夜漬け込む(これを荒漬けという)
- 荒漬けした次の日、「すぐき菜」を一本づつ丁寧に水洗いをして本漬けに入る
- 「反樽」という樽に渦巻き状にしてぎっしりと「すぐき菜」を並べて、塩を振る。
- 4~5段繰り返していく。
- 最後の段は、空気に触れなように葉で覆い中蓋をして重しをする。
- 重しをすると数日で水が出てくるので、水をこまめに捨てて重しを軽くする。1週間くらいで本漬けは終わり。
- 40℃くらいに温めた室(むろ)に入れる。1週間ほどで食べごろ。冷暗所に移す。
ご飯と食べるときは、定番の醤油を使います。その際、醤油をすぐきに直接かけないで、おさらに入れさらに七味屋の七味を足して、ちょんちょん付けて食べますよ(笑)
以上が、すんき漬けとすぐき漬けの作り方です。
厳しい冬でも美味しい野菜を食べるための昔の人たちの工夫って、やはりすごいですね^^
それでは、こんな美味しいお漬物には「ご飯が一番!」なのですが、他にも美味しい食べ方があります!さっそく一緒に見ていきましょう。
すんき漬けとすぐき漬けの美味しい食べ方
「すんき漬け」と「すぐき漬け」の酸味を生かした美味しい食べ方がたくさんありますよ^^まずは、「すんき漬け」から…。
すんき漬けのアレンジレシピ
ではさっそく、おすすめの食べ方を3つ紹介しましょう!
1.お味噌汁
- 具を入れないお味噌汁を作り、いったん火を止めます。
- 刻んだ「すんき」を入れたら、もう一度火にかけて沸騰しない程度に温めます。
2.すんきそば
- そばを茹でて器に盛ります。
- 「すんき」を乗せて上からつゆをたっぷりかけます。
3.すんきピザ
- お好みの生地(手作りでも、市販の生地でも)に味噌マヨソースをぬる。
- 「すんき」とチーズをのせて焼く。
他にも、パンやケーキの生地に混ぜたりかき揚げにしたり、色々な応用レシピがるのでチャレンジしてみたくださいね。
すんきは無塩食品なので、塩分が気になる方にはピッタリな発酵食ですね^^
植物性乳酸菌なので、胃酸に強く腸まで届きますよ!では次に、「すぐき漬け」の応用レシピを見ていきましょう。
すぐき漬けのアレンジレシピ
こちらも、おすすめの食べ方を3つ紹介しましょう!
1.すぐきチャーハン
- 玉ねぎ・ハム・たまご・など、いつもの具と一緒に「すぐき漬け」を入れて炒めます。
2.タルタルソース
- 玉ねぎと「すぐき漬け」を細かく刻んで水にさらす。
- ゆで卵を細かくつぶす。
- 1と2とマヨネーズを混ぜ合わせる。
- 仕上げにすだちやレモンを絞る。
3.たまごやき
- 卵焼きを作るときに、「すぐき漬け」を刻んで入れる。
刻みすぐきを常備すれば、お手軽に発酵食を摂りいれられますね^^
以上が、私がおススメのすんきとすぐきの美味しい食べ方(アレンジレシピ)です!
それでは、今回の内容を振り返っておきましょう!
まとめ
- すんき(長野)とすぐき(京都)の違いはコチラ!
「カブ」というところは共通点はあるが、「すんき」は主に木曽地方のカブ数種に対し「すぐき」はすぐき菜のみ。 - すんき漬けとすぐき漬けの作り方の違いはコチラ!
「乳酸菌発酵(植物性)」という共通点はあるが、漬ける際に塩を使う(すぐき)か使わない(すんき)かという違いがある。 - すんき漬けとすぐき漬けは、乳酸発酵の酸味を生かした美味しい食べ方(アレンジレシピ)がたくさんある
でも、ある日「すんきは塩を使っていない」と知り、びっくりしました。よく調べてみると、野菜の種類にも違いが…。
ちなみに私は、生まれ育った「京都のすぐき漬け」の方が好きですね。自家製ってわけにはいかなかったですが、小さい頃からホントによく食べていましたから^^
植物性乳酸菌発酵という共通点を持つ「すんき」と「すぐき」。胃酸に強く生きたまま腸まで届くので、カラダに嬉しいたくさんの効果があります!
これらのお漬物を毎日の食事に使って、いつまでも健康に過ごしたいものですね^^
Ogaさん、すんきとすぐきの違いについてまとめてくださりありがとうございました♪
Ogaさんおすすめのすんき漬けはコチラ!
⇒話題のすんき漬けを通販で!おすすめ3つを長野在住の私が紹介
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